虫歯や歯周病は風邪と同じ細菌による感染症です。
歯を失う原因の約85%が虫歯と歯周病と言われています。
本当は予防できるのに虫歯や歯周病を患っている方が大勢いるのです。
なんでも食べられる健康な歯を維持していくために、虫歯とはどのようなものかを理解し、口腔ケアをしっかりすることが大切です!
当院では虫歯の治療だけでなく、いちばん大切なご自宅での口腔ケアについても丁寧にご説明しています。
虫歯菌はほとんどの方が持っている常在菌と言っても過言ではありません。
しかし、産まれたばかりの赤ちゃんは虫歯菌を持っていません。赤ちゃんは母子感染など成長する過程で虫歯菌に感染するのです。
虫歯菌の栄養分は私たちが食事で摂取した糖分です。
虫歯菌は糖分を分解してエネルギーとし不要となった老廃物を排出します。
この老廃物が歯の大敵である酸です。
虫歯はこの酸によって歯が溶かされ起きるのです。
分かりやすく言うと、虫歯菌は生きるために糖分を食べて酸のウンチをします。
その酸のウンチによって歯が溶かされるのが虫歯です。
酸を出して歯を溶かすことが虫歯菌の目的ではないのです。
ほとんどの方が持っている歯の大敵、虫歯菌・・・
では、なんで虫歯になる人とならない人がいるのでしょう?
虫歯菌が出す酸によって歯が溶けるのが脱灰です。
一方、私たちがもともと持っている歯を修復する能力(自然治癒力)を再石灰化といいます。
お口の中では、この脱灰と再石灰化が繰り返されているのです。
食事をするとお口の中の糖分が増えて虫歯菌の活動が活発になります。そして虫歯菌が排出した酸によって脱灰が始まります。
歯の表面のエナメル質からリン酸とカルシウムが溶け出し始めるのです。
しばらくすると、お口の中は唾液の持つ緩衝作用によって徐々に中性に戻っていきます。
そして、唾液に含まれるリン酸とカルシウムによってエナメル質が修復(再石灰化)され始めます。
虫歯にならない方、なりにくい方は、脱灰と再石灰化のバランスが取れています。
虫歯になりやすい方は、例えば間食が多くバランスが崩れた脱灰の多い状態です。つまり、虫歯菌が活発に活動する時間帯の多い方になります。
図のように、間食ばかりしていると脱灰の状態が続き、再石灰化の状態がほとんどなくなってしまいます。
その上、歯質が弱かったり、唾液量の少ない体質だと・・・
このような方はおそらく虫歯が多く、将来はブリッジや入れ歯の治療が必要になる確率が高いです。
食事と虫歯菌の関係、脱灰と再石灰化のバランスの崩れから虫歯は起こり進行しますが、これらに個人の持つ体質が加わったものが虫歯のリスク(なりやすさ)です。
虫歯になりやすい、なりにくいは、虫歯リスクが関係しているのです。
虫歯になりやすい歯質 | 唾液量が少ない体質 |
虫歯菌の量 | お口の衛生状態が悪い |
適切なお口のケアができていない | 食生活を中心とした生活習慣の乱れ |
食生活の乱れやお口の衛生状態の良し悪しは私たちの生活そのものです。
虫歯や歯周病は日頃の生活が深く関与する生活習慣病の側面も持っているのです。
キッチンやお風呂場など水周りにできる気もちの悪いヌルヌルがバイオフィルムです。
無数の細菌が集まり形成したコロニーで、強い粘性を持ちバリアの役目も担っています。
お口の中では虫歯菌や歯周病菌がバイオフィルム(プラーク)を形成します。
バイオフィルムでは歯の再石灰化が期待できず、歯は溶かされていくばかりです。成熟して強固になると抗菌物質や免疫細胞もなかなか効きません。
虫歯を予防するためにはバイオフィルムの形成を極力抑え、歯の再石灰化の機能する環境が大切です。
そのためには、毎日の歯みがきと歯科医院での定期的な歯の清掃が重要なのです。
多くの方は歯がしみたり痛みがあって、虫歯に気づくのではないでしょうか?
しかし、このような刺激は象牙質まで進行して起こるため、多くの場合歯を削ることになってしまいます。
虫歯を削らずに治すには早期発見・早期治療が欠かせません。
歯科医院で定期健診を受け歯を大切にする意識を持ちましょう。
歯の表面が浅く溶け、白く濁り透明感の無い状態。
治療
歯は削らずに、正しい歯みがき指導と再石灰化を促進し、自然治癒を目指します。
状況によっては、フッ素塗布による虫歯に強い歯質つくりをします。
歯の表面のエナメル質が溶け始めた状態で虫歯の始まりです。
痛みがないためなかなか発見できません。
治療
正しい歯みがき指導、フッ素塗布やシーラントなど予防的治療をおこないます。
虫歯に進行する可能性が高い場合はつめ物をすることもあります。
象牙質まで虫歯が進行した状態です。エナメル質より柔らかい象牙質は虫歯の進行が早く、歯髄(神経)に近づくにつれて歯のしみや痛みを感じるようになります。
治療
虫歯に侵された象牙質を除去し、つめ物をします。一般的にはレジン(プラスチック材)を詰める治療になります。
比較的大きな奥歯の虫歯は金属を詰める場合もありますが、ハイブリッドセラミックなど歯と同じ色の材質を詰めることもできます。2~3回の治療が必要です。
インレー修復法
奥歯の歯と歯の間に虫歯ができてしまった場合に比較的多く用いられる治療方法です。
歯を削って型を採取し、型にあわせて製作した修復物をはめ込みます。
修復物には目的や希望に応じて、レジン(プラスチック)・金属・セラミックなどがあります。
歯の神経に達した虫歯で大きな穴が開いた状態です。
すでに歯の神経は死に、炎症(歯髄炎)している場合はズキズキと激しい痛みがあります。
治療
歯の神経を除去(根管治療)し、虫歯に侵された象牙質の除去をきちんとすることで、歯を助けることができます。
つめ物やかぶせ物をして治療終了です。
クラウンによる虫歯の修復
クラウンは歯を大きく削った場合にかぶせる修復物です。
修復物の材質もさまざまで前歯や奥歯など治療箇所、治療目的によって異なります。
前歯の場合はレジン(プラスチック)前装冠・メタルボンド・オールセラミック、奥歯の場合は金銀パラジウム合金・金合金・ハイブリッドセラミックなどがあります。
虫歯で歯の頭の部分(歯冠部)が溶け歯根だけが残った状態。歯の神経(歯髄)は死に痛みもありません。
歯根先端部に膿胞(袋状の膿)ができると、歯を残すことも困難になり、抜歯することもあります。
痛みがなくても無数の虫歯菌の住み家になっています。他の健康な歯を守るためにも早急な治療が必要です。
治療
歯根を生かせる場合はC3と同じ治療になります。
抜歯した場合は両側の歯を支えにブリッジをおこないます。2本以上歯がない場合は部分入れ歯になります。
虫歯の部分を削り、清潔な状態にしてから修復物でしっかり密封しなければなりません。
虫歯が歯の神経(歯髄)まで達している場合は、虫歯菌に感染した歯の神経を完全に取り除き清潔な状態になるまで処置(根管治療)しなければなりません。
進行した虫歯の治療は、そのままでは痛みをともないます。
当院は『できるだけ痛みの少ない治療』を心がけています。
麻酔注射の前は必ず表面麻酔をおこないます。その後、痛みの少ないコンピューター制御の電動麻酔注射器を使用します。これにより麻酔注射の痛みをほとんど感じることなく、虫歯の治療に入ることができます。
麻酔注射の最初の痛みは針を刺す時です。
当院では麻酔注射の前に、針を刺す箇所の歯肉表面にゼリー状の表面麻酔薬を塗布する予備麻酔を行います。約30秒で効果が出ます。
お子さんのグラグラで抜けそうな乳歯を抜く時はこれだけで十分です。
アミノ安息香酸エチル20%の局所表面麻酔剤です。口腔内粘膜の末梢知覚神経を麻痺させて痛みを緩和します。
すみやかに適度な持続時間のある麻酔作用を有し、安全性と共に評価の高い麻酔剤です。
苦みが少なく甘いバナナの香りが小児にも好評です。
麻酔注射の次の痛みは麻酔液と体温の温度差によるものです。冷たい麻酔液を注入するとそれだけで痛みを感じてしまいます。
常に体温に近い状態で麻酔薬を管理することで、温度差からくる痛みはありません。
そして、やはり痛みを感じやすいのは麻酔液を注入する時です。
当院では痛みの少ないきわめて細い注射針を使用し、患者様に不安感を与えないようコンピューター制御の電動注射器を使用しております。この電動注射器は、患者様が痛みを感じないような注入スピードをコンピューターが自動管理します。
痛みを極力感じないように麻酔ができるハイテク電動注射器です。
これは何よりも大切なことです。
お子さんの場合、精神的苦痛が肉体的苦痛を助長することがよくあるのです。
そのため、できるだけ削らない治療、刺激の少ない治療で、お子さんに治療のストレスを感じさせないよう心がけています。
虫歯は虫歯菌を中心にさまざまな要因が重なり合って進行します。
まずは自分の虫歯リスク(なりやすさ)を知り、適切な日頃のケアをきちんとおこないましょう。
当院では虫歯菌や歯周病菌の量、唾液の機能(唾液緩衝能)を調べ、生活習慣などをカウンセリングして、患者様に合った予防歯科プログラムをご提案しております。
自分の虫歯リスクを知る |
歯みがき指導を受け正しい歯みがきを身に付け実践する |
定期健診をきちんと受け、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療を心がける |
歯科医院で歯の清掃(PMTC)を定期的に受ける |
生活習慣などを歯科医師と相談し、悪いところがあれば改善する |
医院ブログ
「口腔内カメラでわかる定期検診の重要性」 >>
をご覧ください。
医院ブログ
「歯磨きの磨き残しがない人の割合、あなたは?」 >>
をご覧ください。
虫歯は虫歯菌を中心にさまざまな要因が重なり合って進行します。
まずは自分の虫歯リスク(なりやすさ)を知り、適切な日頃のケアをきちんとおこないましょう。
当院では虫歯菌や歯周病菌の量、唾液の機能(唾液緩衝能)を調べ、生活習慣などをカウンセリングして、患者様に合った予防歯科プログラムをご提案しております。
歯を磨いたり冷たいものを口に入れた途端、虫歯でもないのにしみたり嫌な痛みを感じる事がありませんか?
もしかしたら、それは知覚過敏かもしれませんね?
歯の表面は硬いエナメル質でおおわれています。
しかし、強い力で歯みがきをしたり、咬み合わせが悪く歯に大きな力がかかっていると、エナメル質が削れて下の層の象牙質が露出してしまうことがあります。
また、歯ぐきが下がって歯の根の部分が見えるようになると、同じように象牙質が露出してきます。
象牙質の表面には歯の神経(歯髄)に繋がる象牙細管が多数走っています。 外からの刺激は象牙細管を通り歯の神経に伝達されます。この時に起きる歯のしみや痛みが知覚過敏です。
歯みがきの方法間違っていませんか?
過度の歯みがきや力まかせの歯みがきを続けていると歯肉が下がるなどの問題が生じます。
あなたの咬み合わせは適正ですか?
咬み合わせが正しくないと一部の歯に極度な引っ張る力が加わるなど歯面が破壊されることがあります(楔状欠損)。
知覚過敏および歯肉の後退を予防するには、ご家庭での正しいお口のケアが重要です。
咬み合わせが適正でない場合もありますので、歯科医院で検査してもらいましょう。
歯みがきの影響や加齢の影響など単なる歯肉の後退で、象牙質が露出した知覚過敏の場合は知覚過敏抑制剤や知覚過敏抑制歯みがき剤を用います。
楔状欠損が見られるなど咬み合わせの影響が考えられる場合は、歯並びや咬み合わせの検査をおこない、改善方法を検討します。
知覚過敏抑制剤を数日おきに歯面によくすり込みます。およそ90%以上の方に症状改善がみられます。
知覚過敏抑制剤:ナノシール
歯のシミ、いわゆる知覚過敏は象牙質から象牙細管を通して内部の歯髄に伝わります。
ナノシールは象牙細管に蓋(耐酸性ナノ粒子層を形成)をしてシミや痛みの伝達を防ぐタイプの知覚過敏抑制剤で、ブラシが届きにくい部位でも効果が期待できるので歯と歯の間(隣接面)などでも使用できます。
知覚過敏を抑制する効果が現れるまで通常1~2週間ほどかかります。
歯周病の歯肉後退からくる知覚過敏など、症状によっては知覚過敏抑制歯みがき剤の使用をお勧めすることがあります。
知覚過敏抑制歯みがき剤:システマセンシティブ
医薬部外品のため効果は緩やかですが、象牙細管を封鎖して知覚過敏を抑制してくれます。また、バイオフィルム内の歯周病菌を殺菌する効力を持ち、歯肉の炎症や出血を抑えてくれます。
フッ素配合のため再石灰化を促進し歯質も強化してくれます。
原因の特定をし、つめ物などによる知覚過敏の改善処置をします。
歯が痛い、歯がしみる等でお困りの方は、大切な歯を守るためにも早めの受診をご検討ください。
みなさまの歯と健康のお役に立つために、治療方針や治療内容をきちんと説明した上で治療に入らせていただきます。
医院ブログの
カテゴリ「むし歯治療」>> もご覧ください。
建物備え付けの24時間換気システム、治療に使用する水の消毒、院内の消毒の徹底などを行っております。
詳しくは、ブログでご確認ください。
当院は日本歯科医師会作成の感染症対策チェックリストをすべてクリアしております。
感染症対策チェックリストについては、こちらでご確認ください。
お口の健康から全身の健康へ! 各種事業所健診を受け付けております。
当院は大垣市のマタニティ歯科健康診査、歯周病健康診査の委託歯科医療機関です。
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こんにちは。大垣市の歯医者さん、おおた歯科クリニック院長の太田雅司です。 おおた歯科クリニックは、むし歯、歯周病、義歯(入れ歯)などの治療はもちろん、予防的治療 …
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